住宅の寿命を決定する目に見えない「結露」
ガラス面などに付着する結露は、とりあえずタオルなどで拭き取れば済みますが、一番問題なのは躯体の中で発生する内部結露(壁内結露)なのです。
今日の住宅の場合、一度発生した結露は逃げ場がなく断熱材や構造材に水分を供給し続けます。わずか4cmのコンセントの隙間があるだけで、壁の中では暖房シーズン中、30リットルもの結露水が発生するという恐ろしい現実をご存じでしょうか?
しかも、この状態が毎年続くのですから構造体にとってはたまったものではありません。
家を腐らせる大きな要因は壁体内の結露なのですが、結露により何故家が腐るのかお分かりでしょうか?
2つ原因があります。1つが腐朽菌の発生による腐朽で、もう1つが白アリによる食害です。腐朽菌にしても白アリにしても、その増殖や活動には、水分と温度と酸素が必要なのです。
冬期間の結露発生により土台や柱などの含水量はかなり高くなっており、春になって暖かくなってくると、腐朽菌や白アリにとってまさにパラダイスなのです。こうした状態が長年続くわけですので、体に潜むガン細胞のように徐々に建物の健康を蝕むのです。